文学フリマ東京38おつかれさまでした
文学フリマ東京38おつかれさまでした。
やっと文フリの荷物を片付けた氷上です。といってもクローゼットに突っ込んだだけですが。
気力と体力を使い果たしすぎて日常と呼べるレベルの状態にずっと戻れていない
1週間ぐらい仕事休みたい……いや家事も休んで寝込みたい
それはともかく、
イベント前からオンラインで差し入れをくださった方、
開幕から並んでくださった方、
1冊お買い上げになった後に戻ってきて追加購入してくださった方、
お顔を見せに来てくださった相互さん方、
20年ぶりぐらいに会いに来てくださった方、
事後通販でご注文くださった方、
いろいろな方に手にとっていただけてとても嬉しかったです。ありがとうございました。頑張った甲斐がありました。
ご存知の方も多いでしょうが氷上は宣伝への苦手意識がすごいですからね、あと自分のことを自分の言葉で語るのが大嫌いなんですがイベント直前に書いた小説を書く理由についての反響がめちゃ大きかったので我慢してやってよかったと思いました(読ませる気のない早口)
とはいえ買い手の立場で歩いたとき、あの規模の厳しさをあらためて感じました。
あれだけ参加サークルが多いと、この日までどんなに一生懸命準備をしてきた人たちのブースも、お客さん(文学フリマでは一般参加者をそう表現しています)側からはほとんどがただの「通路」になってしまう。
加えて出店者は、お客さんがなかなか途切れずそうそう会場を回れない。
文学を愛しているからこそ参加しているはずの人たちが、他の人の情熱に触れに行けないのはなんだかちょっと、本末転倒とまではいかないけれど妙な感じもします。
ビッグサイトまで行ってしまったらもっとその傾向は顕著になるんでしょうね。
次回(12月)、「天空交差点」は文学フリマ東京に出店しません。
この話の流れだとビッグサイト開催に対する抗議みたいですが、単にスケジュールの都合です。外でまともにお勤めしながら冬までに新刊書いてイベントでれないしんどい
オンラインイベントは出るかもしれませんが……ピクリエのイベントに申し込もうとして、登録するものの多さに挫折することを半年ぐらい続けています。1つずつ進めてはいるのですがこのペースだと間に合わないね……
鋼の心と鋼の肉体がほしい 筋トレをする筋トレのための筋肉がない
以下さらに落ち込んでいるので、他人の感情に影響されやすい方はご注意ください。
それを言われただけでザワザワしちゃった方のために、大好きな動画を貼っておきます。
ラムダ技術部さんの『【理系】超精密なフレンチトーストを作ろう』です。
一般的なレシピの曖昧さが許せない方はぜひ。
もう大丈夫かな?
そろそろ話し始めますね
今回ねぇ、1人のお客さんからこんな質問をされたんですよ。
「これ全部同じ人が書いているんですか?」って。
私は「そうです。こちらの(『チューベローズの夢死』の)チャームの作成と本の表紙イラストは彼(隣に座っていた黒鋼さん)の作品ですが、それ以外は私が全て作っています」と答えました。
その方は私の作品をいくつか手に取ってパラパラとご覧になって、文体が随分違うのに驚かれたそうです。
一応それぞれの作品に合わせた文体を心がけているので、私もそこに気付いていただけたこと自体は素直に嬉しかったんですよ。
でも
「これ(ある作品)なんかはまるで男の人が書いたみたいで」「こっち(別の作品)は女の人って感じだけど」
と言われたことは、「ん?」と思ってしまって。
「失礼かもしれないけど」という前置きでマジの失礼なことを言われたことがなかったので、
発言の内容を精査せず「いえいえ全然~嬉しいです~」と打ち返すモードに入ったまま自動応答システムによって接客を進めてしまい。
その後
ブースに座っている間も、
撤収作業している間も、
電車乗ってる間も、
打ち上げでとんかつ食ってる間も、
んんん? とずっと頭の上に疑問符が乗ったままで……
家に着いて風呂入ってやっと「いや違うだろ!!!!」と思い至りました 遅いのよ
私は視点人物が男性だろうと女性だろうと、「よ~~~しじゃあ男(女)らしく書いてやろう」と思いながら文体を変えたことは一度もないんですよ。
考えているのはいつも「その人らしさ」についてなんです。
皓汰は漢字多め、肝心なことほどよくわからん比喩で煙に巻く。
未紅は地に足着いてないハイ☆テン☆ション!! ときどきドスンと闇。
総志は横文字多め、話が進むと文学的な日本語を獲得していく。
椎弥は価値観のベースに宗教があり、罪悪感の表現もそちらに引きずられていく。
井沢は宗教的な感覚を持っているけれど、自身を取り巻く過酷な状況から神の存在には懐疑的。
1人1人固有の周波数があって、私はそこに可能な限り近づけて地の文を書いています。
語彙力や対象物に対する知識、思考の癖、興味関心、心理状態、物理的な目線の高さまで考えて、「その人の目に世界はどう映っているのか」「その人なら見えた『世界』をどう出力するのか」必死で探って書いては直しているんですよ。
性別というファクターが1ミリも考慮されていないと言えば嘘になりますが、単体の項目としての重要度はかなり低い。
それをね、これは男らしいとか、これは女っぽいとか、感じるのは各々の自由ですが
ひよこの選別じゃあるまいし
「男寄り文体/女寄り文体」って勝手に「区分け」されるいわれはないわけですよ
物語の外側から他者が「男作者寄り文体/女作者寄り文体」とラベリングする意味ならなおわかんないですよ
それ私の作品の本質と何か関係あります?
俺はそんな判定をしてもらうために今まで書いてきたわけじゃない!!
ということをその場で言えなかった自分にずっと腹を立てているんですよ。
相手に悪気がないのは明白だった
ので
「幅広い文体を身につけられたってことかな~」とかどうにかいい方に解釈しようとして
でも悪気がないっていうのはこっちが怒ってはいけない理由には全然ならないし
その人本人に解ってほしいとは思わない(解ってくれるとも思えない)けど
なんかこれって自分の書き手としてのプライドとかジェンダー的な問題である以上に、
友達が軽く見られているのを場の空気壊したくなくてヘラヘラ笑って流しちゃったダサさみたいな
ていうか仮にも性差の問題についても扱ってるサークルなんだからちゃんと「それは違う」って否定できなきゃダメだっただろみたいな情けなさがあって
悔しくて眠れなかったし
不甲斐なくて落ち込んでいるんです。
そうは言っても「文フリ東京38楽しかった!」という気持ちに偽りはないし、
支えてくださった方々に対する感謝も本当なので、
折り合いはつけてこれからも自分の信念に基づいたものを書いていきます。
ここまでお読みくださってありがとうございました。
この話はここまで。ごめんね。
というわけで、最後に最近よく聴いているV.W.P(Virtual Witch Phenomenon)の動画を貼っておきます。
『同盟』も好きだし『遊戯』『切札』『共鳴』『歯車』とか新曲の『未遂』もカッコよくて好きだよ。